マグネット ・オブ・フォー

 

2章・裏って厳しい

4・団体戦

霧島が奥の部屋から、嬉しそうに出てきた。
「おい! 亜沙美!」
「はっ、はいぃ!」亜沙美はビクッとして気を付けをした。
「お前の例の試合、日程が決まったぞ!一週間後だ!」
「いっ、一週間後、一週間後・・・・」
亜沙美の脳裏に、自分が一週間後にズタズタにされるイメージが浮かんだ。
へなへなと崩れ落ちる亜沙美。
「まーそう緊張するな!」霧島は、へたりこんだ亜沙美に抱きついた。
(そうだ、この人にはお金が入るから、お金しかないんだ、お金しかないんだ、お金しか・・・)
「ただしな」霧島が、亜沙美の両頬を両手ではさんで自分のほうに向かせた。
亜沙美のくちびるがタコのようになっている。
「団体戦だ、ここにいる4人で試合するように交渉してきたぞ!」
「ふぉっ!」顔を挟まれたままの亜沙美が変な声を出した。
「ふぉっ!じゃないよ、団体戦、あんた一人で戦うわけじゃないから気が楽でしょうに」
霧島は亜沙美の頬から手を放した。
「でも、やっぱりあの人と戦わなきゃいけないんですよ・・・ね?」上目遣いで亜沙美が言う。
「もちろん!あの試合の後にタンカ切ったからには、お前が「大将」でヤツと対決するんだよ!」
「ああ〜」亜沙美は顔を両手で塞いで情けない声を出した。
「ははは、おもしろいな、そんなに悲観するな、命までは取られりゃせんよ!」ぽんぽんと亜沙美の
肩を叩くと、立ち上がって、真澄のパンチングボールを叩いている姿を見学している慶子と涼子の
方へ向かっていった。
「まーそういうわけ、聞いてた?一週間後に試合してもらうから」
「一週間後か、力いっぱい頑張らせて頂きますので」と慶子
涼子は、「わかったヨ」といって、ジムの床の上にゴロンと横になった。
「さあ、とりあえず今日はおしまい、皆帰りな」

5・慶子と涼子とは

帰り道、亜沙美と真澄はいっしょに電車に乗っている。
「あのさ、真澄?」
「なに?」
「あの涼子ちゃんって、いろんなスポーツやってクビになったって、よっぽど弱いんじゃない?試合
大丈夫なのかな?」
「あんた、人の心配せずに、自分の心配しろよ」
それを聞いて、すぐに亜沙美は暗い顔をしてうつむいた。
それを見て、フーとため息をついて、真澄は言った。
「弱いんじゃないよ、彼女が天才、異端すぎるから、どのスポーツの型にもはまらなくて、並の監督じゃ
扱えなかったんだよ」
「異端?」亜沙美が顔をあげて、涙目で真澄の方を向いた。
「なに涙ぐんでんのよ。異端児よ、いわゆるね、ボクシング界でも、きっと何かやってくれるわよ
あれは」
「そっか、じゃあ大丈夫かな・・・・私と同じくらいに体弱そうだから心配になってさ・・・」
しばし沈黙が続く、電車は空いており、夕方の西日が窓から差している。
「じゃあさ、慶子ちゃ・・慶子さんは強いのかな?」
「ああ、あの筋肉はただもんじゃないよ、踏み込みの力は物凄いんじゃないかな」
「そっか・・・じゃあ弱いのは私だけなんだ・・・」
「あのな、あと一週間で死ぬほど鍛えてやるよ、今日はほったらかしで悪かったよ」
「うん・・・」

 


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