マグネット ・オブ・フォー

 

1章・エピローグ

4・「試合?」

「何ですと?って、ボクシングジムよ、これこれ。」真澄がバッグからゴソゴソとボクシング
グローブを出した。チラチラ見えていたものの正体はボクシンググローブだった。
「えぇぇぇ!で、ここで付き人とかやるの?怖くてできないよー。」
「いや、あんたも試合に出るように試験うけるようになってんのよ。」
「ひぃぇぇぇぇぇ」
亜沙美がパニックをおこして地団駄を踏んでいる、そのさわぎで中から一人の女性が出
てきた。
  「お、来たねー真澄ちゃん、その子がテスト受けに着た子?かわいいねー。私、ここの
オーナーの霧島、よろしくねん。 」
30歳前だろうか、しかし驚くほどの美人で、ストレートの長い黒髪が美しい。
  「そうそう、こいつね、亜沙美っていうんだけど、見てやって。」
  「いぃー、テストって、ボクシングなんて出来ないよぉー、帰っていい?」さらにパニック
になる亜沙美だが、本人の意思と裏腹に話は進行して行く。
  「じゃあさ、とりあえずジムの中入って。」
亜沙美と真澄はジムの中へ入る、少しカビのような匂いとほこりっぽい感じが混じって
亜沙美はむせそうになった。
  「真澄、帰りたいよ、ボクシングってちゃんと試験受けないと試合できないんでしょ、無理
だよぉ。」
  帰ろうとするが、後が怖くて帰れない亜沙美が涙目になって訴える。
「大丈夫、これ違法の裏世界のボクシングだから、素人でも参加できるし。」
  「いいぃいー」
  「いー!じゃなくてさ、とりあえずテスト受けなよ、1試合で金が物凄く入るんだよ!。」
  「お金が問題じゃなくて、なんで違法な事をさせられないといけないの!」
パン!と手を叩く音がした、二人がその音の方を向くと、 霧島が仁王立ちになっている。
  「ごたごたいわなくていいから、その子のテストするよ、さあ、亜沙美ちゃんだっけ?動き
やすい格好してこれつけて。」
  霧島が、亜沙美に赤いグローブとマウスピースを差し出す。
  「はやくっ!」
  霧島の声にビクッと体をふるわせて、亜沙美はそれらを受け取った。
「これって漫画でよく見るマウスピースってやつ・・・・」
「そう、それをくわえて早くグローブつけなっ!。」
霧島の声にまたビクッと体をふるわせて、とりえあずマウスピースを口にくわえた。
きちんと亜沙美の口にあわせて作られていないマウスピースは大きく、亜沙美の口がもっこり
盛り上がって顔を少しぶさいくにしてしまった。
「ジャージ持って着てないよね、どうしよっか。」
「じゃあさ、ここにいるのみんな女なんだから下着だけになったらいいよ。」霧島が即答した。
「もが・・・」亜沙美が顔を横にするが、マウスピースでうまく喋れずにあっという間に下着姿に
させられてしまう。
「よしと・・・じゃあ亜沙美ちゃん、かわいいパンツね、小学生みたい‥‥胸私よりあるんじゃな
い?。まあそれはよしとしてさ、真澄ちゃんとスパーやってみて。」
「もがが?」
急速の展開で、二人はリングにあがらされた、真澄はジャージを持ってきており、マウスピース
も口に合わせて作ってあるので亜沙美のようにモガモガ言わない。
「えーと、じゃあ10分ほどスパーしてもらおうか、真澄ちゃんは試合用に鍛えてあるし、試合にも
出たことあるから強いよー、がんばってね亜沙美ちゃん♪。」
そう言うと、霧島は手にもっているゴングをカーンと鳴らした。
「まっふぇ(待って)」と言う真澄の口から唾液が糸を引いて垂れた。それをぬぐおうとしたその時、
真剣な顔をした真澄と、青いグローブがすぐそこに迫っていた。

スパン!

「ぶっ・・・・」亜沙美の口から唾液が吹き飛んでロープにペチャッと付着した。

「ぶう・・ぶう・・・」亜沙美が口で息をするたびにはみ出たマウスピースのと口の間から唾液が
散る。

ズパッ!

またもや鋭いジャブが。唾液がリングに落ちた。

「んーっ!」パンチを打ったこともない亜沙美は大振りのパンチを振り回すが、真澄にことごとく
かわされて、その度にカウンターを打ち込まれる。すぐに二人の足元には亜沙美の唾液まみれに
なった。

ズン・・・・亜沙美がその場にダウンした。
すぐに起きようとしてグローブを動かすが、少しクラクラして立てない。グローブを動かすたびに唾液
が車のワイパーの後のように広がる。自分の唾液ながら臭いなと亜沙美は思った。立とうとする
とさらに力が入って口から唾液があふれ出てグローブに付着した。
「亜沙美、こんなに弱いの?もう終わり?殴っていいんだよ?」
初めて亜沙美の頭に「くそ」という汚い言葉がうかんだ、くやしいという感情が沸いてくる。

本来なら10カウントは過ぎているであろう時間を経過して亜沙美は立ち上がった。

「よーし、その調子その調子。」霧島が嬉しそうに拍手をする。
「亜沙美、よだれをたらしてみっともないね、打ってきなよ。」

パン!

亜沙美の腰の入っていない弱々しいパンチが真澄の鼻に命中した。少したってから鼻血がツツー
と垂れてくる。
やった。と内心喜んだ、その瞬間

グシャッ!!

鼻血を出したことにキれてしまった真澄のストレートが亜沙美の頬をひしゃげた。
「ゲボ・・・」亜沙美の口からマウスピースが飛び出した。マウスピースはベシャッとコーナーポストに
当たって唾液を放射状に散らしてマットの上を数回ボトンボトンと跳ねた。
亜沙美は舌を出して唾液を吐き出しつつ半分気絶していた。自分の唾液で下着は濡れたような
状態になっており、地肌が透けて見える。
  その姿を見て真澄は少し冷静になった。
「あんた唾液出しすぎなのよ、パンツ透けて見えるとこ見えちゃってるし、」
そういいながらコーナーポストの近くに落ちているマウスピースを拾ってクンクン嗅いだ。
「それにマウスピースヌルヌルして汚すぎだし、あんたの歯茎とツバの匂いで臭すぎ、くやしかった
ら立ってみなさいよ」そう言いながら真澄はもう一度マウスピースをクンクン嗅いで、放心状態に
なっている亜沙美の口に押し込んだ。しかしすぐにペッとそれを吐き出してうつぶせにダウンした。

ドン・・・・

ダウンした後にマウスピースがマットを跳ねるボトンボトンという音が鮮明に聞こえた。

(霧島が何か言っているがもうどうでも良かった、このまま試合が終わってもいい、真澄を一発でも
殴れてこの学校生活良かった・・・ああ・・・あしたのジョーみたいにマウスピース吐き出してダウン。
でもあんなにドラマティックに飛ばずに地味にゴロンと転がるだけなんだ。それに実際は唾液まみれ
で汚いもんなんだな・・・・)

亜沙美は倒れたままになってしまおう、もう終わらせてしまおう、そう思った。

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